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司法修習生に修習給付金を支給する制度を創設する裁判所法改正に対する会長声明

2017年04月27日


平成29年4月19日,司法修習生に対して修習給付金を支給する制度を創設する裁判所法改正案が参議院本会議で可決され,成立した。
これによって,平成29年11月1日以降に採用される司法修習生に対しては月額13万5000円の基本給付金が支給されるほか,住居費を補助する住居給付金や転居費を補助する移転給付金も支給されることになった。
平成23年11月に司法修習生に対する給費制が廃止され,修習資金を貸し付ける貸与制に移行したことは,法曹になるための経済的な負担を増大させ,法曹志願者減少の一つの要因となっていた。
そもそも法曹は三権の一翼である司法の担い手として,公共的な使命・役割を負っているものであるから,法曹養成については国が責任を負うべきである。そして,司法修習生は法曹として必要な能力を身に付けるために司法修習に専念する必要があるのであるから,国の責務として司法修習生に対して経済的支援をすることは不可欠であった。
このたびの裁判所法改正による修習給付金の創設は,法曹養成については本来国が責任を負うべきことを改めて確認し,法曹志願者の減少を食い止めるための大きな一歩となり得るものであり,法改正の実現に尽力した国会議員をはじめとする多くの方々に敬意を表する。
しかし,修習給付金の創設で法曹になるための経済的負担の問題の全てが解決するわけではない。法曹になるための経済的負担の軽減は,法曹を志望する者に門戸を閉ざすことのないよう,またより多くの有為な人材が法曹を目指すことになるよう,今後も取り組まなければならない課題である。
また,貸与制下で司法修習を終えた65期から69期,そして貸与制下で現在も司法修習を受けている70期の司法修習生は,多額の債務を負う等の不利益を被ったままである。貸与制下で司法修習生だった者への給付や貸与金の返還免除等の救済策が講じられるべきである。
当会は,修習給付金の創設の意義を踏まえつつ,今後も引き続き,法曹になるための経済的コストの軽減を含む法曹養成制度の改善に向けて取り組みを進める所存である。

2017年(平成29年)4月27日

仙 台 弁 護 士 会

会 長 亀 田 紳一郎

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