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平成23年6月17日「東日本大震災に伴う東北地方の高速道路の無料措置通行方法について修正を求める緊急提言」

2011年06月20日

東日本大震災に伴う東北地方の高速道路の無料措置通行方法について修正を求める緊急提言

2011年(平成23年)6月17日

第1 提言の趣旨
 国土交通省及び東日本高速道路株式会社等は,本年6月8日,東日本大震災を踏まえた高速道路の料金について,東北地方(水戸エリアの常磐道を含む)を発着とする被災者及び原発事故による避難者について,6月20日から,当面1年間無料とする措置をとることを発表した。
 しかし,被災者の確認方法として,被災証明書,罹災証明書又は罹災届出証明書の提示を求めることに限定することは相当でなく,例えば,重大な被害を受けた被災地に住所を有することを証明する運転免許証を提示することをもって足りる等の方法も併用するように修正すべきである。

第2 提言の理由
 1 国土交通省,東日本高速道路株式会社,中日本高速道路株式会社,西日本高速道路株式会社及び本州四国連絡高速道路株式会社は,6月8日,東日本大震災を踏まえた高速道路の料金について,東北地方(水戸エリアの常磐道を含む)を発着とする被災者及び原発事故による避難者について,6月20日から,当面1年間無料とする措置をとることを発表した。
 東日本大震災の被災者及び原発事故による避難者を支援するという見地からは,自動車が主たる交通手段となっている被災者について高速道路の無料開放措置をとることは極めて有効な復興支援策である。
 2 しかしながら,この無料措置を受けるためには,被災者については,①被災証明書又は罹災証明書(7月末頃までは罹災届出証明書でも可)及び②本人確認書面(運転免許証等),原発事故による避難者については警戒区域等に住所を有することを証明する書面(運転免許証等),の提示が必要とされているところ,被災者の確認方法として上記①を要求することは,被災自治体の業務に重大な影響を及ぼすおそれがあり,また,被災者の負担ともなるため相当ではない。
 (1) 東日本大震災による建物被害は,宮城県内だけで,全壊は約7万2000戸,半壊は約3万6000戸,一部破損は約4万7000戸(6月14日警察庁広報資料)とされているが,実際には,地震により家の一部がひび割れしたといった建物はごく一般的に存在しており,その実数は,上記統計上の数値をはるかに上回るものと考えられる。
 (2) 現在,被災自治体は,震災からの復旧・復興関連の業務を抱えて人手不足の状況にあり,被災証明書ないし罹災証明書の発行業務に遅れが出ている被災自治体も存在している。
かかる状況のもと,被災証明書又は罹災証明書を提示することによって高速道路の利用料が無料となる措置がとられることになると,建物の一部が損壊したにとどまり,現時点では被災証明書ないし罹災証明書の申請がなされていない極めて多くのケースについてもその申請がなされることが予想される。
 そうなると,被災自治体の事務量はさらに増大し,震災関連業務の遅れを招くおそれがあるとともに,被災者生活再建支援法により支援金が給付される建物の全壊や大規模半壊のケース(これらのケースについては一刻も早く罹災証明書の発行がなされるべきである)についてもその発行業務が遅滞してしまう事態になりかねない。
 この点,罹災証明書の発行に時間を要することを考慮し,本年7月末頃までは罹災届出証明書でも可能とされている。しかし,それでも被災自治体の業務量を増大させることには変わりはなく,上記懸念を払拭させるものとまではいえない。
 (3) 被災者に対しても,被災証明書等を要求することは,それらを申請するための手間が増えることになり,少なからぬ負担を与えてしまう。
 (4) かかる事態を回避するためには,高速道路の無料開放措置をとるに際し,被災者の確認方法として被災証明書又は罹災証明書の提示を求めることに限定するのではなく,例えば,重大な被害を受けた被災地に住所を有することを証明する免許証を提示することによる等の方法に修正すべきである。
 このような方法をとったとしても,重大な被害を受けた被災地に住所を有する者は多かれ少なかれ被災しているといえるため特段不合理はない。むしろ,このような方法により被災自治体や被災者の負担軽減を図ることこそ,早期復興に資するものである。

以 上

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