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平成19年7月18日会長声明

2007年07月18日

陸上自衛隊情報保全隊による国民監視活動に抗議しその中止を求める会長声明

1 本年6月6日、陸上自衛隊情報保全隊(以下情報保全隊という)が、個人・団体の動向を監視し、その情報を系統的に収集・分析していた資料の存在が明らかとなった。自衛隊が作成したとして公開された内部文書には、自衛隊イラク派兵反対運動を始め消費税値上げや医療費問題に関する運動など、個人・団体の幅広い行動の情報が詳細に記載されている。そして政府も情報保全隊がかかる情報収集活動を行っていたことを認めている。

  上記内部文書には、東北方面情報保全隊による宮城県を含む東北地方の個人・団体の集会、街頭宣伝、ビラ配布等の諸活動に関する情報資料が数多く含まれている。そこでは東北地方の市町村議会やマスコミの取材活動までもが監視対象とされ、情報保全隊は、これらの表現行為を「反自衛隊活動」などと位置づけている。

2 そもそも、情報保全隊の任務は、自衛隊の保有する内部情報の流出や漏洩の防止にあり、情報収集活動はその任務に必要な範囲内でしか許されない。今般の個人・団体に対する監視・情報収集活動は、自衛隊の内部情報の流出や漏洩防止とは無関係であって、その範囲を逸脱していることは明らかであり、法的根拠を有しない違法な活動である。

  このように情報保全隊が組織的・系統的・日常的に個人・団体を監視してその情報を収集・分析・管理保管することは、国民の集会その他の表現活動に対し強い萎縮効果をもたらすものであるから、日本国憲法21条で保障された表現の自由を侵害するものである。

また同時に憲法13条で保障されたプライバシーの権利をも侵害するものである。ことに情報保全隊は集会・デモ等に参加した個人の写真撮影も行っているが、個人の容ぼう等を公権力がみだりに撮影することは憲法13条に違反するものである(最高裁判決昭和44年12月24日)。

3 日本国憲法は、先の大戦下において国家機関によって国民の権利自由が著しく抑圧されたという苦い歴史の教訓をふまえ、国家権力の濫用を抑制し国民の権利自由を保障するという立憲主義に立脚している。国家機関である情報保全隊が、法的根拠もなく、しかも国民の憲法上の権利を侵害するような監視活動を行うことは、正に立憲主義に違背する行為であって許されない。

4 よって、当会は、政府及び防衛省に対して、陸上自衛隊情報保全隊が個人・団体等に対して違憲・違法な監視活動を行ったことに厳重に抗議するとともに、かかる監視活動を直ちに中止することを強く求めるものである。

 

 

2007(平成19)年7月18日

仙 台 弁 護 士 会

会  長   角   山     正

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