仙台法務局管内の法務局支局及び出張所の統廃合を行うことに反対する会長声明
法務局は、登記、供託、戸籍及び場所によっては公証事務など幅広い分野にわたって、地域の市民の生活基盤に関わる重要な公的サービスを提供している。近年さらに、相続登記の義務化、自筆証書遺言の保管制度などの新たな制度が施行され、法務局の役割はますます増大している。このような重要な役割を有する公的機関である法務局は、全ての地域の市民が等しく利用することができなければならない。
現在、宮城県内を管轄する仙台法務局には、6カ所(古川、石巻、塩竈、大河原、登米、気仙沼)の支局、1カ所(名取)の出張所がそれぞれ置かれている。しかし、2010年に仙台法務局築館支局が廃止されたほか、これまでに県内各地にあった法務局出張所が廃止されてきた。また、全国的にも法務局支局や出張所の統廃合が進んでいる。
このような流れから、宮城県内においても、上記の支局及び出張所、とりわけ仙台法務局気仙沼支局及び仙台法務局登米支局について、石巻支局との統廃合が懸念される。
仮に法務局支局等の統廃合がなされた場合、地域の市民はより遠方の法務局支局等に赴かなければならなくなる。例えば、仙台法務局気仙沼支局も仙台法務局登米支局も廃止された場合、気仙沼市の住民が、最寄りの法務局支局となる仙台法務局石巻支局まで赴くには、自動車で1時間以上、公共交通機関では3時間以上を要する。身近な法務局支局等から離れた他の法務局支局まで、時間と労力をかけて出向くことになる市民の負担は、非常に重いと言わざるを得ない。
したがって、法務局支局等の統廃合は、地域の市民、特に交通弱者や高齢者の移動に係る時間的・経済的負担を著しく増大させ、登記、供託、遺言書保管等の幅広い分野にわたる重要な公的サービスに対する市民のアクセスを阻害するものであり、許されない。
この点、登記や供託についてはオンライン手続も可能だが、市民の中にはインターネットの利用方法がわからない又は利用が不得意な方もいる。また、法務局で扱う業務のすべてがオンライン化しているわけではない。とすれば、オンライン化の流れを踏まえてもなお、それぞれの地域に法務局支局や出張所がある意義は大きい。
よって、当会は、今後、仙台法務局管内の法務局支局及び出張所の統廃合を行うことに反対する。
2026年(令和8年)1月9日
仙 台 弁 護 士 会
会 長 千 葉 晃 平
















