2026年(令和8年)1月22日
宮城県消費生活文化課 御中
仙台市消費生活センター 御中
宮城県内市町村消費者行政担当部局 御中
仙 台 弁 護 士 会
会 長 千 葉 晃 平
第1 要請の趣旨
2026年(令和8年)度以降の地方消費者行政強化交付金について、これまでの消費者行政推進事業に対する交付金が形を変えて維持され、相談・見守り活動強化や相談員の担い手確保などに関する支援メニューが強化されたことを踏まえ、宮城県及び仙台市、県内市町村において、地方消費者行政強化交付金を最大限活用して、消費者行政の充実に向けた次のような施策に取り組んで頂くよう要請致します。
1 宮城県及び仙台市においては、特に、「相談員の担い手確保、人材育成・強化型」の支援メニューを活用するなどして、地方消費者行政の基盤確保に向けた取組を推進すること。
2 宮城県内各市町村においても、消費者庁の支援メニューを積極的に活用すること、とりわけ、「相談・見守り連携強化型」のメニューを活用して見守り活動や出前講座等を強化したり、消費者安全確保地域協議会の設置に向けた取組を推進すること。
第2 要請の理由
1 次年度地方消費者行政強化交付金に関する状況
(1)高齢者を狙う悪質訪問販売被害やインターネットの匿名性を悪用した詐欺商法など、消費者被害がますます悪質化、巧妙化する中で、地方公共団体の消費生活相談体制の強化や高齢者見守りネットワークの構築が重要な課題となっています。
(2)そのような中で、多くの自治体で、2025年(令和7年)度をもって、地方消費者行政強化交付金の推進事業の活用期限が到来するという問題が顕在化し、全国的に交付金の継続・強化を求める声が上がり、全国の弁護士会での意見書発出や地方議会意見書の採択が相次ぎました(添付「地方消費者行政に関する議会・弁護士会・消費者団体意見書一覧」参照)。
当会では、2024年(令和6年)10月25日に「消費生活相談体制をはじめとする地方消費者行政の維持・強化を求める意見書」を発出しており、宮城県議会では、同年12月11日に「地方消費者行政の拡充・強化を図るための措置を求める意見書」が採択されています。
(3)2025年(令和7年)の通常国会においては、与野党を問わず、地方消費者行政の強化のために交付金の継続・拡充が必要であるとの質疑が複数行われ、衆議院消費者問題特別委員会は、同年6月5日に「地方消費者行政の充実・強化に関する件」という決議を採択しました。その中で、「地域における消費者行政は、住民の消費生活における安全・安心確保の根幹であり、質の高い相談・救済が受けられる体制を全国的に維持・拡充することは、被害の防止を含め消費者全体の利益に資するものであり、消費者政策の最重要課題の一つである」としたうえで、「地方公共団体において消費生活相談員の専門性に見合った処遇が促進されるよう、必要な対策を講じること。」、「高齢化の加速、単身世帯の増加等の環境変化に対応するため、見守り活動や出前講座の充実など、積極的に地域に出向くことができるよう消費生活センターの体制整備を促進するために必要な対策を講じること。」、「消費生活相談員の担い手確保や計画的な人材育成、専門性のさらなる向上など・・・必要な対策を講じること。」など、国に対し積極的な施策を要請しました。
政府の2025年(令和7年)6月13日付「経済財政運営と改革の基本方針2025」(いわゆる骨太の方針)においても、「地方消費者行政を強化するため、地域見守り活動の活性化や消費生活相談員の人材確保・ 育成に資するよう地方消費者行政強化交付金を見直す。」ことが明示されました。
(4)これを受けて、消費者庁は、2025年(令和7年)9月の次年度予算概算要求において、相談機能の維持に止まらず、「待ち」の対応から転換し地域に積極的に出向く出前講座や見守り活動を充実すること、相談員の担い手確保のための計画的・効果的な取組などを促進する支援メニュー提案と予算要求を行いました。
(5)その結果、2025年(令和7年)度補正予算(同年12月16日可決)において、消費者庁の地方消費者行政強化交付金について17.6億円が認められたことから、概算要求時より広い、新たな枠組みによる支援メニュー(添付「地方消費者行政交付金について」参照)が実施できることになりました。
そして、報道によれば、新たな枠組みによる支援メニューの一つである「相談・見守り連携強化型」には、一定の条件が設定される方向ではあるものの、研修参加費、見守り活動支援費、出前講座実施費用として1自治体50万円を上限に10分の10補助することも設けられたとのことであり、見守り活動や出前講座等の強化や、消費者安全確保地域協議会の設置推進に活用できるものと考えられます。
同様に新たな枠組みによる支援メニューの一つとして、「相談員の担い手確保、人材育成・強化型」として、消費生活相談員を目指す修習生を都道府県や市町村の消費生活センターに配置して養成する場合、1人つき3年間の時限はあるが10分の10で補助することも設けられました。
消費者庁は、これら、新たな支援メニューの内容について、2025年(令和7年)11月28日の補正予算案閣議決定に併せて、地方公共団体に対するWeb説明会を開催して説明したうえ、消費者庁との個別質問等のやりとりも行われていると聞いています。
2 各地方公共団体消費者行政への取組の要請について
上記新たに追加されたメニューのうち、宮城県や仙台市は、特に都道府県及び政令指定都市を対象とした「相談員の担い手確保、人材育成・強化型」の支援メニューを活用するなどして、地方消費者行政の基盤確保に向けた取組を推進していただくことが肝要であると考えます。
また、市町村については、より積極的な見守り等の活動を目指す「相談・見守り連携強化型」の支援メニューを活用するなどして、見守り活動や出前講座等を強化したり、消費者安全確保地域協議会の設置に向けた取組を進めていただくことが相当です。
もとより、被害救済等の現場にあたる当会においても、地方消費者行政の充実・強化は、消費者被害の予防、早期救済の根幹をなす必要不可欠の制度と認識しております。
以上のとおり、地方消費者行政強化交付金が維持・強化されることから、これを最大限活用して新たな施策の展開やそれに向けた人的体制整備を行い、また、消費者行政の充実、強化に向けた独自財源の措置を講じて頂くことを要請致します。
県における市町村の交付金申請の取りまとめには時間的に余裕のない日程ではありますが、ご検討頂けますようお願い申し上げます。
添付資料
1 地方消費者行政に関する議会・弁護士会・消費者団体意見書一覧
2 地方消費者行政強化交付金について 令和7年度補正予算:17.6億円
以上
















