東日本大震災から15年にあたり、改めて「人間の復興」が果たされることを求める会長談話
東日本大震災が発生してから15年。
当会は、発災直後から被災者一人ひとりの「人間の復興」を果たすべく、法律相談やADR(裁判外紛争解決)などを実施して被災者・被災地の復旧・復興に向けた支援に臨むとともに、二重ローン問題や災害対策基本法、災害救助法をはじめとする災害法制の諸課題を指摘し、改善に向けて取り組んできた。
日本の被災者支援制度は申請主義を前提とするため、在宅被災者、原発事故避難者をはじめ、復興支援の網から抜け落ちた被災者が多く生まれ、現在もなお生活再建に至らない被災者が取り残されており、支援の継続が求められる。当会は、2018年2月以来、在宅被災者戸別訪問活動等の結果を踏まえ、被災者台帳を活用しながら、官民連携のもと支援策をパッケージして伴走型で支援する「災害ケースマネジメント」の実践が、被災者の生活再建に必要であると提言してきた。今後とも被災者の生活再建を継続的に支えるための仕組み構築と国への政策提言を通じて、より良い復興を支援する取り組みをしていく。
また、災害援護資金貸付制度も被災者の生活再建のための制度であるから、償還についても、経済的困窮者に償還を強いることにより、被災者の生活再建が阻害されることがないよう適切な運用が求められる。
2025年5月28日に成立した災害対策基本法等の一部を改正する法律では、「被災者の生活の再建に関する事項」が行政の責務であることが明記され(改正災害対策基本法8条2項16号)、災害救助法の救助の種類に「福祉サービスの提供」が追加された(改正災害救助法4条1項6号)。
これらは、東日本大震災以降令和6年能登半島地震までの災害の教訓を踏まえた画期的な改正である。
しかし、被災者の生活再建は、これらの法改正によって直ちに実現されるものではない。被災者の生活再建を支える担い手とつなぎ手の拡充をはじめ、支援からこぼれ落ちる被災者を生まないための不断の取り組みが求められる。現在設置に向けた準備が進められている防災庁には、そのための体制構築が期待される。
当会は、引き続き、他の被災地域の弁護士会、弁護士会連合会、日本弁護士連合会、士業団体、行政との連携を通じ、全ての被災された方々が「人間の復興」を果たすまで、力を尽くす所存である。
2026年(令和8年)3月11日
仙 台 弁 護 士 会
会 長 千 葉 晃 平
















