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特定秘密保護法案の衆議院採決に抗議し、参議院での廃案を求める会長声明

2013年11月29日

11月26日,衆議院国家安全保障に関する特別委員会において特定秘密保護法案の採決が強行され,同日,本会議において同法案が可決された。

当会は,本年10月18日付けの会長声明において,同法案が,知る権利を侵害する危険性を有し,国民のプライバシーを侵害する危険性が高い適性評価制度を導入するなど多くの弊害を抱えていること,同法案提出に先立つパブリックコメントにおいて9万件を超える意見が寄せられ,その約77%が反対の意見であったことも重くとらえるべきであるとして,同法案の制定に強く反対する意見を表明していた。

ところが,衆議院の審議においては,上記のような人権を侵害する危険性のある法案を制定するべき立法事実(立法の必要性を基礎付ける事実)は十分に説明されたとはいえない。また,本年6月には,国家安全保障と国民の知る権利の両立を図る実務的ガイドラインである「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則)が公表されたが,同法案はツワネ原則が求めている秘密にしてはならない情報(政府の人権法・人道法違反の事実や大量破壊兵器の保有,環境破壊等)の列挙,秘密指定の最長期間の定め,安全保障部門への独立した監視機関の設置,内部告発者の保護を図るための利益衡量規定などとの整合性についても十分に検討がなされていない。  さらには,衆議院採決の前日に開催された福島市における公聴会においても,公述人全員が同法案に反対ないし懸念を表明しており,衆議院においてはさらに慎重な審議が求められていた状況にあった。

それにもかかわらず,衆議院は,当会がこれまで指摘し、多くの国民が懸念している問題点がなんら解消されていない同法案(4党による修正案を含む)について,十分な審議をすることなく,特別委員会での採決を強行したうえ,本会議において同法案を可決した。   国民の人権を侵害し,国民主権を形骸化しかねない同法案について,衆議院が,民意を軽視したかたちで特別委員会での採決を強行し,本会議において可決したことは暴挙というほかなく,国会自らがその存在意義・役割を放棄したとさえ言える。

当会は,衆議院における拙速な審議に強く抗議するとともに,良識の府である参議院において十分な審議を尽くし,同法案を廃案とすることを求める。

 

2013年(平成25年)11月29日

 仙 台 弁 護 士 会

会長 内 田 正 之

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