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仙台地裁支部管内における司法機能の充実を求める会長声明

2015年05月21日

当会は、支部管内の住民の司法アクセスの改善のため、仙台地方裁判所の各支部管内に法律相談センターを設置し運営してきた。宮城県内では、ここ数年、支部管内に事務所を設置する会員も著しく増加しており、弁護士に対するアクセス障害の解消には、大きな前進がみられる。

また、当会は、支部管内の司法機能の改善のために、2009年(平成21年)2月の定期総会において「司法過疎の解消に向けて裁判所・検察庁の支部機能充実を求める決議」、2011年(平成23年)2月の定期総会においては、「仙台地方裁判所支部管内における司法の機能充実を求める決議」をそれぞれ採択し、2010年(平成22年)11月には栗原市、本年3月には石巻市で、それぞれ司法機能の充実を求める市民集会を開催した。

しかし、仙台地裁支部については、登米支部は未だに裁判官が常駐しておらず、他の支部も1名又は2名の裁判官が常駐しているのみで、1990年(平成2年)まで古川支部及び石巻支部で行われていた裁判官3名による合議事件は現在行われていない。また、不動産競売、債権執行事件についても2008年(平成20年)より本庁に集約されており、労働審判も行われていない。

仙台地検の支部についても、古川支部以外はいずれも検事が常駐していないため重大な事件は仙台地裁本庁等に起訴されている。また、大河原支部は庁舎自体使われておらず、登米支部の庁舎も2013年(平成25年)より臨時に使用されるのみとなった。

このように、裁判所・検察庁支部の司法機能については、近年さらなる縮小の傾向にある。しかし、支部の基盤の整備は、弁護士過疎の解消と一体不可分の関係にあり、両者が相俟って初めて地域の住民に十分な法的サービスを提供することが可能となるものである。ところが現状では、支部管内在住の住民は、多くの場合、法的手続を利用するために仙台市等に出向かなければならないこととなり、身近に司法サービスを受ける機会が制約されている。

特に東日本大震災により多大な被害を受けた県沿岸部は、その多くが支部管轄地域に属するが、震災により交通事情が悪化している地域も多く、また震災に起因する重大事件も存在していることから、多くの事件が本庁のみでしか実施されていないことは由々しき問題である。

よって、当会は、国に対して、合議制の裁判の実施の拡大、不動産競売、債権執行事件、労働審判事件の支部における実施、検事の常駐など、支部管内の司法機能充実のため必要な措置をとるよう強く求める。

 

2015年(平成27年)5月21日

                 仙 台 弁 護 士 会

                       会長 岩 渕 健 彦

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