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いわゆる「谷間世代」に対する救済措置の実施を求める会長声明

2018年01月25日


2017年(平成29年)4月19日、裁判所法が改正され、司法修習生に対する修習給付金制度が創設された。そして、同年12月に司法修習が開始された第71期司法修習生に対し、同制度に基づく修習給付金の支給が始まっている。
同制度によって、司法修習生に対して経済的な支援が実施されることになったが、給付の中心となる基本給付金が13万5000円に留まるなど、決して十分な給付水準とは言いがたい。
さらに、上記の裁判所法の改正を経ても解決されないままの大きな問題が残されることとなった。それは、無給での司法修習を強いられた新65期から70期の司法修習生約1万1000人に対し、上記改正裁判所法で救済策が講じられなかったことである。これらの司法修習生は、それ以前の司法修習生に対して行われていた給費制と、71期から開始された修習給付金制度の狭間に置かれたことから、「谷間世代」と呼ばれることがある。
しかし、新65期から70期にかけての司法修習生についても、その前後の司法修習生と異なる司法修習を受けたわけではない。これらの者についても、司法修習に専念することを求める厳しい義務が課される中で、司法制度の担い手として養成された。そして、多くの者がその期待に応え、現在はそれぞれの立場において重要な役割を果たしている。
そもそも、司法が国の三権の一翼を担うことから、司法制度の担い手の養成については、国が責務を負うものである。しかし、実際には新65期から70期の司法修習生が無給とされ、多くが修習資金の貸与を受けざるを得なかったものであり、国が負うべき責務が十分に果たされたとはいえない。このような、司法修習を受けた時期のみを理由とする不利益取扱いは明らかに不合理なものであって、速やかに是正される必要がある。
また、貸与金の返済の負担は、新65期から70期の司法修習修了者の公益的な活動等を制約するおそれがある。新65期から70期の司法修習修了者に対して救済策を講じることは、それらの者がさらに実務法曹として活躍し、その活躍によって国民の権利・利益の擁護が図られることにつながるはずである。
よって、当会は、国及び関係機関に対し、新65期から70期の司法修習修了者に対する救済策を講じるよう求める。さらに、新第65期司法修習修了者については、本年7月25日に貸与金の第1回の返還期限が迫っていることから、抜本的な救済策に時間がかかることを考え、一律に返還期限の猶予の措置を執るよう求めるものである。

2018年(平成30年)1月25日

仙 台 弁 護 士 会

会 長 亀 田 紳一郎

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