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検察庁法等改正案をめぐる国会閉会にあたっての会長声明

2020年06月25日

第201回通常国会は,本年6月17日,会期末を迎えた。同国会へ提出された検察庁法改正案を含む国家公務員法等の一部を改正する法律案(以下,「本法律案」という。)は,同国会の閉会により廃案となった。
この間,政府は,検察庁法の法解釈の限界を超えて違法に国家公務員法を適用して,東京高等検察庁検事長の勤務延長の閣議決定(以下,「本閣議決定」という。)を行った。これに対し,当会は,本年3月12日付で会長声明を発出し,本閣議決定の撤回を求めた。しかるに,政府は,本閣議決定を撤回するどころか,同閣議決定を後付けで正当化するかの如く,内閣又は法務大臣の判断により検察官の勤務延長を可能とする本法律案を国会へ提出するに至った。これに対し,当会は,本年4月28日付けで,本件閣議決定の撤回を改めて求めるとともに,本法律案に反対する会長声明を発出した。
国会審議においては,検察官の役職定年の延長等に係る特例措置を設ける必要性や特例措置を適用する明確な基準について政府からまともな説明がなされていないにもかかわらず,審議が尽くされないまま,衆議院内閣委員会での採決が強行される寸前の情勢であったが,政府は,上記のとおり本法律案の通常国会での成立を断念した。本法律案の成立が断念された背景には,ツイッター上で「検察庁法改正案に抗議します」とのハッシュタグ(#)が付いたツイートが5月11日までの間に,500万回を超えるなど,本法律案成立へ向けた政府の姿勢や本法律案の内容に対し,市民の反対の声と疑念が日に日に高まっていたという世論の力があり,政府もこれを無視できなくなったものといえよう。
その後,東京高等検察庁検事長が賭けマージャンの発覚により辞任する事態となったが,政府は,本閣議決定は正当に行われたものであるとして,同決定の撤回を拒んでいる。また,本法律案は廃案とはされたものの,問題となった検察官の勤務延長等に係る特例措置部分について削除する方針が現段階で明確に示されたわけではない。そのため,秋の臨時国会において,上記特例措置と同趣旨の規定を含む法律案が再提出される余地が残されている。
しかし,当会が会長声明で繰り返し指摘したように,本閣議決定は,法解釈の限界を逸脱する違法なものである。このような検察官人事への政治の恣意的な介入を可能とする違法な前例の作出は許されない。また,検察官人事への政治の恣意的な介入が可能となる特例措置を設けることは,検察官の独立性の要請を著しく損なうのみならず,厳正,公平,不偏不党を旨とする検察に対する国民の信頼を根底から失わしめるものであって,到底容認できない。日本弁護士連合会,全国の52の全ての弁護士会及び東北弁護士会連合会等が本法律案の特例措置に対し反対する会長声明を発したのも当然といえる。
したがって,当会は,政府に対し,改めて,違法な本閣議決定の撤回を求めるとともに,検察官の独立性を損なうような特例措置を含む法律案を今後国会へ提出することのないよう強く求める。

2020年(令和2年)6月25日

仙 台 弁 護 士 会

会 長 十 河   弘

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