これまでの活動 ~会長声明・意見〜
(意見)
1 2003年3月24日
「アメリカとイギリスによるイラクへの武力攻撃に反対する会長声明」
国連憲章は他国への武力攻撃を原則として禁止しており、例外的に武力行使が許されるのは、安保理が必要な措置をとるまでの間の自衛権の行使として、或いは、平和に対する脅威等に集団的措置で安保理の決議に基づく行動としてなされる場合に限られる。しかし、現在、イラクはアメリカ、イギリス等に対する武力攻撃をしておらず、自衛権の行使はその前提を欠き、安保理決議1441号等は、今回の武力攻撃に同意を与えるものではない。
従って、今回の武力攻撃が、国連憲章に違反することは明らかである。
アメリカなどの武力攻撃は二度にわたる世界大戦の反省を踏まえて築き上げられた国際社会における法の支配と、国連の存在意義を根底から覆すものである。
また、大規模爆撃を含む武力攻撃は、多くの市民の生命と財産を奪い、最大の人権侵害を引き起こし、真の平和と安全をもたらすものではない。
2 同年5月21日
「有事法制修正法案につき衆議院の慎重審議と国民的議論を尽くすことを求める会長声明」
3 同年6月18日
「有事法制3法案の成立に対する会長声明」
十分な国民的議論も尽くされず、上記のような重大な憲法上の問題点が何ら解消されないまま、有事法制3法が可決・成立されたことは、極めて遺憾なことといわざるを得ない。
当会は、恒久平和と基本的人権の尊重、国民主権主義という日本国憲法の基本原理を擁護し、今後とも、有事法制の有する憲法上の問題点を広く明らかにし、平和が脅かされ基本的人権が侵害されることのないよう、法制の具体化や運用を、厳しく監視してゆく所存である。
また、武力攻撃事態法を実施するため今後提出が予定されている「米軍支援法制」「国民保護法制」などの個別法案について、法律家団体として憲法の基本原理擁護の立場から、検討し提言していくものである。
4 同年7月16日
「イラク特別措置法案に対する会長声明」
イラクにおいては、米英軍の占領に反対しての抵抗が続いており、ブッシュ大統領も認めたとおり、イラクは未だ戦闘状態にある。
このような状態にあるイラクに自衛隊が武器を携えて派遣され、戦闘継続中の米英軍のために武器・弾薬・兵員を輸送することは、「非戦闘地域での後方支援」などということはできず、米英軍の武力行使と一体化したものと評価されることは明らかである。そして、米英軍の占領行為に反対するイラク人勢力から自衛隊が攻撃される可能性も大きく、その際には、自衛隊がイラク国民に対して武力を行使する事態も、自衛隊員が死傷する事態も、現実に予想されるところである。
日本国憲法が他国領土での武力行使を禁じていることは言うまでもない。したがって、イラクにおける自衛隊の武力行使を事実上容認するイラク特別措置法案は、憲法に違反する恐れが極めて大きいものといわざるを得ない。
5 同年12月18日
「自衛隊のイラク派遣に反対する会長声明」
日本国民は、過去の戦争に対する反省から「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し」て、戦争と武力の行使の放棄を掲げる日本国憲法を制定した。憲法は、「国の最高法規」であり、これに反する国務に関する行為は無効である。しかも、イラク特措法は、「自衛隊等の対応措置は非戦闘地域において実施し、武力による威嚇又は武力行使にあたるものであってはならない」と定めている。
今回の自衛隊のイラク派遣は、憲法および非戦闘地域にしか自衛隊を派遣してはならないとするイラク特措法に明らかに反するものと言わざるを得ない。
内閣総理大臣をはじめとする国務大臣等は、憲法を尊重擁護する義務を負っているにもかかわらず、憲法にも法律にも反する自衛隊のイラク派遣を決定したことは極めて遺憾である。当会は「基本計画」の撤回を求めるとともに、自衛隊のイラク派遣に強く反対し、その中止を求めるものである。
6 2004年4月12日
「自衛隊のイラク即時撤退を求める会長声明」
7 同年5月19日
「有事7法案の廃案を求める会長声明」
これらの7法案のうち国民保護法案、米軍支援法案、特定公共施設等利用法案、外国軍用品海上輸送規制法案は、平和主義・基本的人権の尊重という憲法の根幹を損なう重大な危険をはらんでおり、その他の3法案についても、憲法に反するおそれのある武力攻撃事態法を補完するもので問題である。
当会は、これら法案のもつ重大性・危険性に鑑み、有事7法案に反対し、廃案にすることを強く求めるものである。
8 同年6月22日
有事7法案が6月14日成立したことに対し、会長声明
当会は、「有事」の名の下に、憲法が保障する人権が制約され、国民主権と平和主義がないがしろにされることのないように、今後も引き続き、有事法制のあり方や運用を厳しく検証してゆくとともに、政府等関係諸機関に対して、国際紛争の解決は、国際協調主義に則り非軍事的方法によることを真摯に模索探求し、今後、憲法違反の疑いが極めて強い有事法の発動を決して行わないよう強く求めるものである。
9 2005年9月21日
憲法改正国民投票法案に関する会長声明
仙台弁護士会は、国民主権、基本的人権尊重などの基本原則を尊重する立場から、「法案骨子」に基づく憲法改正国民投票法案が国会に提出されることに強く反対するとともに、広く国民の間で、真に国民主権に根ざした憲法改正国民投票法案のあり方について十分な議論がなされることを求めて、活動していくものである。
10 同年11月17日
自衛隊のイラク派遣再延長に反対し、即時撤退及び「イラク特措法」の廃止を求める会長声明
11 同年12月14日
宮城県国民保護計画(原案)に対する意見書
12 2006年5月18日
教育基本法の「改正」に反対する会長声明
13 同年7月7日
東北弁連の定期大会(青森市)で、仙台弁護士会提案の「『憲法改正国民投票法案』に反対する決議」が採択された
14 同年11月16日
教育基本法改正に反対する緊急会長声明
15 2007年2月24日
「憲法改正国民投票法制定に反対する決議、特に最低投票率の定めのない法案に反対する総会決議」
16 同年4月25日
「憲法改正手続法案(国民投票法案)に反対し参議院での慎重審議を求める会長声明」
17 同年4月27日
「イラク特措法の2年間延長法案に反対し、自衛隊の即時撤退とイラク特措法の廃止を求める会長声明」
18 同年5月16日
「憲法改正手続法の抜本的見直しを求める会長声明」
19 同年7月18日
「陸上自衛隊情報保全隊による国民監視活動に抗議しその中止を求める会長声明」
情報保全隊が組織的・系統的・日常的に個人・団体を監視してその情報を収集・分析・管理保管することは、国民の集会その他の表現活動に対し強い萎縮効果をもたらすものであるから、日本国憲法21条で保障された表現の自由を侵害するものである。
また同時に憲法13条で保障されたプライバシーの権利をも侵害するものである。ことに情報保全隊は集会・デモ等に参加した個人の写真撮影も行っているが、個人の容ぼう等を公権力がみだりに撮影することは憲法13条に違反するものである(最高裁判決昭和44年12月24日)。
日本国憲法は、先の大戦下において国家機関によって国民の権利自由が著しく抑圧されたという苦い歴史の教訓をふまえ、国家権力の濫用を抑制し国民の権利自由を保障するという立憲主義に立脚している。国家機関である情報保全隊が、法的根拠もなく、しかも国民の憲法上の権利を侵害するような監視活動を行うことは、正に立憲主義に違背する行為であって許されない。
よって、当会は、政府及び防衛省に対して、陸上自衛隊情報保全隊が個人・団体等に対して違憲・違法な監視活動を行ったことに厳重に抗議するとともに、かかる監視活動を直ちに中止することを強く求めるものである。
20 同年12月12日
「新テロ特措法案の制定に反対する会長声明」
テロ対策海上阻止活動に対する自衛隊の補給支援活動は、「戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と定めた日本国憲法9条の精神に反するというべきである。
さらに、旧テロ特措法ですら事後的にではあるが国会の承認を要するとしていたのに対し、新テロ特措法案は、自衛隊の実施する活動に対する国会の承認は不要であり報告のみで足りるとしている。
しかしこれでは政府による不当な補給支援活動の実施がなされた場合に、国会が直ちに是正する手段を持たないこととなり、濫用に対する歯止めとして不十分である。
このように、新テロ特措法案には重大な問題点があるので、当会は、その制定に反対である。よって参議院に対し本法案を可決しないよう求めると共に、衆議院に対しては仮に参議院が本法案を否決した場合には再議決を行わないよう求めるものである。
21 同年12月12日
「イラク特措法廃止法案を支持する会長声明」
22 2008年4月11日
「靖国 YASUKUNI」上映中止に関する会長声明
23 同年4月23日
「名古屋高裁自衛隊イラク派遣差止訴訟判決に関する会長声明」
24 同年7月4日(東北弁連)
「日本国憲法の恒久平和主義を堅持する宣言」
私たちは、基本的人権の擁護という弁護士の使命に鑑みるとき、最大の人権侵害行為である戦争や武力行使及びそれらを惹起させる行為を許容することはできない。そして、このような事態を招来させないためにも、基本的人権の保障及び国民主権の基礎にある恒久平和主義を堅持することが重要である。
当連合会は、これまで多くの人権課題に取り組んできたが、人権保障の根幹にある恒久平和主義の意義を再確認するとともに、その理念が堅持されるよう不断の努力を重ねる所存である。
以上、宣言する。
25 同年10月23日
「新テロ特措法延長法案に反対する会長声明」
・・・アフガニスタンを取り巻く世界の流れは戦争や武力によらない平和的解決に向かいつつある。平和的生存権および日本国憲法9条を持つ日本はこのような平和的解決にこそ尽力すべきである。
このように,新テロ特措法延長法案及びそれに基づく補給支援活動には憲法上の重大な問題点が存し,またそれを継続する必要性も首肯できないので,当会は同法案に反対である。