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平成22年8月25日会長声明

2010年08月26日

死刑執行に関する会長声明

 本年7月28日、東京拘置所において、2名の死刑確定者に対して死刑が執行された。我が国における死刑の執行は、昨年7月以来1年ぶりのことであり、民主党政権に政権交代し、千葉景子法務大臣が就任してから初めての死刑執行である。

 死刑制度に関しては、1989年12月、国連総会で自由権規約第二選択議定書(死刑廃止条約)が採択され、また、2007年12月、国連総会において、日本を含む死刑存置国に対し、死刑制度の廃止を視野に入れた死刑執行の停止などを求める決議が採択されている。

 我が国の死刑制度に対しては、2008年10月、国際人権(自由権)規約委員会の日本の人権状況に関する第5回審査総括所見において、政府は、世論調査の結果に拘わらず死刑廃止を前向きに検討し、必要に応じて国民に対し死刑廃止が望ましいことを知らせるべきであること、必要的上訴制度を導入し、再審・恩赦の請求に執行停止効を持たせること、再審弁護人との秘密接見を保障すること、死刑の執行を事前に告知することなどが勧告されている。

 我が国の刑事裁判においては、4つの死刑確定事件(免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件)の再審無罪判決が確定し、死刑確定事件における誤判の存在が明らかとなっているが、近年においても、死刑が執行された飯塚事件で有力証拠とされたDNA鑑定に誤りがあったとして再審請求がなされており、誤判が生じるに至る制度上、運用上の問題点は抜本的な改善が図られていない。

 日本弁護士連合会は、2002年11月、「死刑制度に関する提言」を発表し、死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くし、また、死刑制度に関する改善を行うまでの一定期間、死刑確定者に対する死刑の執行を停止する旨の時限立法(死刑執行停止法)の制定を求め、2004年第47回人権擁護大会においては、「死刑執行停止法の制定、死刑制度に関する情報の公開及び死刑問題調査会の設置を求める決議」を採択し、死刑の執行停止を求めた。当会もまた、2009年には、二度の会長声明において、死刑執行に遺憾の意を表し、死刑の執行停止を強く要請してきた。

 このような状況において、今般、国際的要請を無視し、死刑の制度上、運用上の問題に関する国民的議論のないまま、再び死刑が執行されたことは、甚だ遺憾である。

 千葉法務大臣は、死刑執行後の記者会見において、今後、刑場を公開し、死刑制度の存廃を含めた死刑制度の在り方についての勉強会を立ち上げる意向を示した。これらの提案は、今回の死刑執行に先立って行われるべきだったものではあるが、上記提案が速やかに実行に移され、それを契機として、死刑制度の問題点について幅広い議論がなされることを期待する。

当会は、政府に対し、死刑制度が最も基本的な人権に関わる重大な問題であることに鑑み、死刑の執行を停止したうえで、死刑制度の存廃も含む抜本的な検討を行うことを重ねて強く要請するものである。

2010(平成22)年8月25日

仙 台 弁 護 士 会

会 長  新里 宏二

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