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平成19年2月24日総会決議

2007年02月24日

憲法改正国民投票法制定に反対する決議 〜特に最低投票率の定めのない法案に反対する〜

 平成18年5月26日,自民・公明の与党及び民主党は,それぞれ憲法改正に必要な手続を定める国民投票法案を衆議院に提出し,平成19年1月25日に始まった通常国会における重要法案として審議がなされている。

 いうまでもなく,憲法改正国民投票は,主権者である国民が国の最高法規である憲法のあり方について意思を表明するという国政上の重大問題であり,中立公正な情報提供,自由かつ十分な投票運動の保障,投票結果への国民の意思の正確な反映等が不可欠である。しかし,上記両法案には,中立公平が期待できない広報,国民投票運動の広範な制限,少数の賛成で承認とされる恐れ等の重要な問題点が多々含まれている。

 それらの問題点については,東北弁護士会連合会の平成18年7月7日の大会決議や日本弁護士連合会の同年8月22日付け意見書などで指摘されており,その後の国会での審議などで改善が検討されているものもある。しかるに,国民投票を有効とする条件としての最低投票率の定めについては,与党及び民主党は導入しないという考えであり,議論すらほとんどなされていない。

 現行憲法は,人権尊重主義,国民主権及び平和主義を掲げ,広く国民に浸透・支持されてきた国の最高法規である。憲法改正とは,このような現行憲法を積極的に変更しようとする行為であり,国民と国家に多大な影響を与えるものである。それゆえ憲法自身改正が容易になされないよう厳格な改正手続を定めている。よって,憲法改正には国民の多数がこれを是として現状を変更する旨の意思を明白かつ積極的に表明することが必要と考えるべきである。

 ところが,最低投票率の定めが導入されなければ,例えば投票率40%の場合には投票権者の20%超程度の賛成で足りることになり,投票権者のほんの少数の賛成により憲法が改正される恐れがある。

 このように投票権者の3分の1にも満たない少数の賛成で憲法改正が承認されるのは,改正憲法の正当性・信頼性に疑義が生じ極めて不当と言わざるを得ない。そのため,日本弁護士連合会も前記の意見書で憲法改正の重要性や硬性憲法とされている趣旨からして少なくとも3分の2以上の最低投票率を定めるべきであるとの意見を発表している。当会も少なくとも3分の2以上の最低投票率を定めることを強く求めるものである

 憲法改正を目的とした国民投票法を制定すること自体の是非をめぐっては議論が存するところであるが,昨今の国会情勢からして,東北弁護士会連合会の前記決議で指摘した問題点が解消されないまま,また,最低投票率の定めについては議論もないまま,国民投票法が近日中に成立してしまう恐れが強くなっている。

 そこで,当会は,前記決議で指摘した問題点が解消されないまま国民投票法を制定することに反対するとともに,とりわけ最低投票率の定めのない国民投票法案に強く反対するものである。

 以上決議する。

 

                    

平成19年(2007年)2月24日    

仙台弁護士会  会 長  氏  家  和  男

 

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