弁護士会ホーム > 平成21年2月21日総会決議

平成21年2月21日総会決議

2009年03月14日

司法過疎の解消に向けて裁判所・検察庁の支部機能充実を求める決議

1 当会は,地域住民の司法アクセスを改善するため,これまで,仙台地方裁判所の各支部管内に法律相談センターを設置し,運営してきた。また,宮城県内においては昨年までに,登米,気仙沼,栗原,角田の4箇所に「ひまわり基金法律事務所」が設置され,さらに,昨年4月には,仙台市内に東北弁連及び当会の支援を受け,東北6県の弁護士過疎地等に定着する予定の弁護士を養成する目的を有する「弁護士法人やまびこ基金法律事務所」が開設された。当会会員の中には,支部管内での独立開業を志望する弁護士を採用し,養成している者も現れている。

 上記のような弁護士会及び個々の弁護士の取組みにより,近年,仙台地裁支部管内に事務所をもつ弁護士数は増加しており,今後も着実に増加することが見込まれている。


2 ところで,弁護士とともに地域の司法を担う裁判所,検察庁の現状をみると,全国で裁判官が常駐していない地裁支部が49か所,検事が常駐していない地検支部が112か所にのぼっている。このような実情を踏まえ,東北弁連では,2005年の定期弁護士大会において「裁判を受ける権利の保障を実質化するためにすべての裁判所及び検察庁に裁判官及び検察官を常駐させることを求める決議」を採択した。しかしながら,その後も,司法試験合格者が大幅に増加しているにもかかわらず,例えば,昨年司法修習を修了した者のうち弁護士登録をした者が2056名に達したのに対して,同年の判事補採用数が99名,検事採用数が93名にとどまったことにみられるように,裁判官・検察官の増員はほとんど行われておらず,地裁・地検支部への配置も一向に進んでいない。

裁判所・検察庁支部の人的基盤の整備は,弁護士過疎の解消と一体不可分の関係にあり,両者が相俟って初めて地域の住民に十分な法的サービスを提供することが可能となるものである。支部の現状は,市民の身近にあって利用しやすい司法を実現するという理念に逆行するものである。また,弁護士にとっても,支部の機能が限定されている状態では,支部管内での業務が制約され,開業・定着することが困難となり,ひいては弁護士過疎の解消が阻害されることにもつながりかねない。


3 宮城県内の現状も例外ではなく,仙台地裁登米支部には裁判官が常駐しておらず裁判官1名がてん補しているのみであり,他の裁判所支部においても大河原,気仙沼が各1名,古川,石巻が各2名常駐しているが,合議事件を開廷できるだけの人員配置ではなく,労働審判や不動産競売,債権執行事件についても本庁に集約されている。仙台地検の支部については,大河原支部は本庁内に設置されており独立の支部庁舎がなく,また,古川支部以外は検事が常駐していない。このほか,県内の検察審査会や法務局出張所の統廃合も進められており,支部管内における司法サービスの全般的な機能低下が進行している。

その結果,県内支部管内在住の住民は,法的手続を利用するために本庁のある仙台に出向かなければならないなど,身近に司法サービスを受ける機会が制約されている。専ら事件処理の効率性を重視して支部機能を本庁に集約することは,地元での司法アクセスを特に必要としている高齢者等への配慮を欠くものであって容認することができない。


4 よって,当会は,弁護士過疎の解消に向けた取組みを継続し,より充実したものとしていく決意を表明するとともに,国に対して,仙台地裁登米支部に裁判官を,仙台地検古川支部以外の管内支部に検事をそれぞれ速やかに常駐させるなど支部の人的・物的基盤を整備すること,及び,本庁に集約されている合議事件,労働審判事件,執行事件等を含め支部管内の事件は可能な限り当該支部において取り扱うようにするなど支部機能を充実させることを求めるものである。 

 

以上のとおり,決議する

 

2009(平成21)年2月21日

 仙 台 弁 護 士 会

会 長  荒     中

ホームへ

  • 紛争解決支援センター
  • 住宅紛争審査会
  • 出前授業・出張講座
  • 裁判傍聴会のご案内
  • 行政の方はこちら
仙台弁護士会の連絡先
〒980-0811
宮城県仙台市青葉区一番町2-9-18
tel
  • 022-223-2383(法律相談等)
  • 022-223-1001(代表電話)
  • 022-222-6901(謄写関係)
FAX
  • 022-261-5945