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国選弁護報酬及び各種弁護費用を増額する抜本的改善を求める会長声明

2026年03月12日

国選弁護報酬及び各種弁護費用を増額する抜本的改善を求める会長声明

 国選弁護制度とは、被疑者及び被告人が、貧困等の理由で自ら弁護人を選任できない場合に、本人の請求又は法律の規定により、国が費用を負担して、裁判所が弁護人を選任する制度である。国選弁護人は、人権擁護のための法専門家として、被疑者・被告人との接見、身体拘束からの解放のための活動、警察や検察の捜査活動に違法な点がないかのチェック、証拠の開示請求と証拠の閲覧謄写、家族等関係者との連絡調整、被害弁償の手配や示談のための活動、更生のための環境調整、そして公判での弁護活動と、多岐にわたる業務を求められる。裁判員裁判対象事件やその他特殊事情のある事件を除けば1件あたり1名しか選任されず、国選弁護人の負担はきわめて大きい。
 近時、袴田事件の再審、大川原化工機事件など捜査機関の違法な取り調べによるえん罪が明らかになっている。また、佐賀県警察科学捜査研究所の職員によるDNA鑑定での不正行為も発覚している。このような、捜査機関側の違法な取り調べ、虚偽鑑定などによるえん罪防止のため、人権の守り手としての弁護人の役割の重要性は、国選であるか私選であるかにかかわりなく、ますます高まっている。
 2025年7月、「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」の取りまとめ報告書が作成された。この報告書は被疑者国選弁護対象事件の勾留全件への拡大などがなされた2016年刑事訴訟法改正に関する総括であるが、改正による被疑者国選弁護対象事件の拡大後も、ほぼ全ての事件において24時間以内に国選弁護人の指名がなされていることが報告されている。
 しかし、国選弁護人の報酬は、国選弁護制度を運営する法務省所管の日本司法支援センター(法テラス)がその基準を定めて運用しているが、法テラス発足以来、日本弁護士連合会からの再三の改善要求にもかかわらず、部分的・限定的な改善にとどまっており、基礎報酬がほとんど増額されていないなど全く不十分である。そのため、現在の国選弁護の基礎報酬・加算報酬・費用の水準は、上述した多岐にわたる弁護活動との均衡を著しく失している。
 また、被告人段階では警察署や拘置支所での接見を重ねても報酬加算はないし、家族等関係者との連絡調整や更生のための環境調整などは、いくら労力をかけたとしても報酬に反映されることはない。さらに言えば、捜査機関側の鑑定に対抗し反証を試みるための当事者鑑定の費用など、本来必要な弁護活動関連の費用も支出されていない。
 そもそも国選弁護制度に割り当てられている国家予算が僅少に過ぎる。2025年においては、国家予算の総額は115兆円を超えているにもかかわらず、同年の国選弁護業務のための予算は約171億円と、わずかな額に抑えられたままである。
 よって、当会は、被疑者・被告人の権利擁護、ひいては国民にとっての公正な刑事司法制度実現のため、日本司法支援センターに対し国選弁護報酬及び各種弁護費用の増額に向けた抜本的改善を求め、かつ政府、国会、法務省及び財務省に対し、それらの増額に必要な予算措置を求める。

 

2026年(令和8年)3月12日 

仙 台 弁 護 士 会  

会 長  千 葉 晃 平

 

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