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平成22年2月27日総会決議

2010年03月02日

国及び地方自治体の消費者行政の充実を求める決議

              
 産業育成に重点を置いた行政から消費者・生活者のための行政に大きく転換をはかるべく,昨年5月,消費者庁及び消費者委員会設置関連3法が国会で可決され,同年9月,消費者庁・消費者委員会が設置された。
  消費者庁・消費者委員会の設置は,日本弁護士連合会や各地の弁護士会等が,消費者主権の確立を目指し,長年にわたり取り組んできた課題が遂に実現したものであり,我が国の消費者行政が消費者目線の施策に転換する第一歩として,歴史的な意義を有している。しかし,他方で,立ち上がった消費者庁・消費者委員会には多くの課題も指摘されており,今後,国,地方自治体,消費者団体等と協力し,その改善に取り組んでいく必要がある。
 まず,消費者庁については,関係各省庁と連携し「消費者行政の司令塔」としての機能を十分に果たすことが期待されているが,これに対応するには,消費者事故等に関する多くの情報を収集・分析・発信し得る仕組みを整える等の体制整備が必要である。しかし,現在の消費者庁関連予算や事務局体制は,このような要請に十分に対応しうるにはほど遠い規模にあり,同庁関連の予算・人員の充実を図ることが不可欠の要請である。
  続いて,消費者委員会については,その使命である消費者行政に対する監視機能を十分に果たすことが期待されているが,そのためには,消費者・消費者団体・地方自治体等から提供される意見や情報を適正に分析する仕組みを早急に整備する等,その体制を充実させる必要がある。しかし,消費者庁に関して述べたのと同様に,消費者委員会関連の現在の予算規模や事務局体制では,これらの要請に応じることは困難であり,その関連予算及び人員の充実を図ることが喫緊の課題である。
 さらに,消費者行政を充実・強化するためには,国の組織を整えるだけでは十分とは言えず,各地方自治体においても,地方消費者行政活性化基金を積極的に活用する等して,消費者行政の総合的拡充に向けた基盤整備を実施することが強く求められる。
 以上のような課題をふまえて,当会は,消費者行政のより一層の充実を図り,消費者主権を確立するために,国,宮城県及び県内の市町村に対し,下記の取り組みを求める。

   

記  

                              
1 国に対する要請
(1)消費者庁が,消費者行政の司令塔としての機能を果たせるよう,情報収集・分 析・発信を適正になし得る仕組みの構築等の体制整備を図るとともに,そのために必要な予算や人員の拡充を行うこと。
(2)消費者委員会が,行政に対する監視機能を果たせるよう,提供される意見や情報を適正に分析する仕組みの構築等の体制整備を図るとともに,そのために必要な予算や人員の拡充を行うこと。
2 宮城県及び県内の市町村に対する要請
  消費者相談窓口の拡充,担当部署の人員増員,予算の拡充,消費者行政の在り方を検討する官民共同の組織の設置等により,消費者行政全体の基盤を整備すること。

 

以上の通り,決議する。

  

2010(平成22)年2月27日

                         仙 台 弁 護 士 会 
                               会 長  我  妻   崇

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