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平成24年4月6日会長声明

2012年04月10日

死刑執行に関する会長声明

 2012(平成24)年3月29日,東京拘置所で1名,広島拘置所で1名,福岡拘置所で1名,計3名の死刑確定者に対して死刑が執行された。
 死刑は,罪を犯した人の更生と社会復帰の観点から見たとき,その可能性を完全に奪うという問題点を内包している。また,わが国の刑事裁判においては,4つの死刑確定事件(免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件)の再審無罪判決が確定し,死刑確定事件における誤判の存在が明らかとなっているが,誤判が生じるに至る刑事裁判の制度上・運用上の問題点は抜本的な改善がなされていない。

当会は,これまで,政府に対して,死刑制度の存廃を含む抜本的な検討及び見直しを行うまでの一定期間,死刑執行を停止するよう繰り返し要請してきた。それにもかかわらず,今回3名の死刑執行が行われたものであり,当会はかような事態に対して深い憂慮の念を示すとともに,強く抗議するものである。

 国際的にみても死刑廃止国は着実に増加し,現在の死刑廃止国(事実上の廃止国を含む)は141か国,死刑存置国は57か国であり,国際社会において死刑廃止が潮流となっていることは明らかである。
1989(平成元)年12月の国連総会で死刑廃止条約が採択されて以来,国連の各種委員会からは,わが国に対して死刑廃止を求める決議や勧告が度々なされてきた。また,本年2月にも,欧州議会が,小川法務大臣を名指しして死刑の執行を行わないよう求める決議を採択していた。

これらの決議や勧告は,国際社会から我が国に突き付けられた共通の意思の表明に他ならない。政府は,国際社会の要請を真摯に受け止め,死刑制度の運用と実態について国民に十分知らしめ,死刑の制度上・運用上の問題点についての国民的議論を直ちに行うべきである。2010(平成22)年から法務省内部で「死刑の在り方についての勉強会」が開催され,その報告書が本年3月に公表されたが,これだけでは死刑制度についての国民的議論が行われたとは到底言うことができない。今回の死刑執行は,死刑制度についての国民的議論を行うことなく,国際社会の要請を無視してあえて死刑執行に踏み切ったものであり,甚だ遺憾である。

当会は,政府に対し,死刑制度の運用と実態について国民に十分な情報提供を行った上で,死刑制度の存廃につき国民的な議論を尽くし,広く国民の合意が形成されるまで,死刑の執行を停止するよう重ねて強く要請する。

2012(平成24)年4月6日

 仙 台 弁 護 士 会     
会 長  髙 橋 春 男

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