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地方教育行政法改正案に反対する会長声明

2014年06月12日

2014年(平成26年)5月20日,教育委員会制度を見直すことを主たる内容とする地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正案(以下,「本改正法案」という)が衆議院本会議で可決され,現在参議院で審議されている。

本改正法案は,現行教育委員会制度を根本的に変更し,①現行の教育委員長と教育長を一本化した新「教育長」をおき,②首長にその任免権を与える(新「教育長」の任期は3年に短縮),そして,③首長が主宰する常設機関として「総合教育会議」を設置し,同会議において,政府の教育基本振興計画を参酌して教育行政の大綱的方針を決定することなどを内容としている。これは,自治体の首長が教育行政の中身に直接関与できるようにするものであり,更には,地方教育行政についての国(文部科学大臣)の関与権が強化されているものである。

しかし,こうした教育委員会制度の根本的変更の必要性については,十分に検証されているとは言いがたい。現行の教育委員会について,何らかの改善が必要とされる点があるとしても,現行教育委員会制度を本改正法案のような内容に変更しなければならない必要性については疑問がある。まして,首長が教育行政の中身に直接関わり,国の関与権が強化される制度に改正する必要性は見いだせない。

また,そもそも現行の教育委員会制度が採用された際の基本理念は,①地方教育行政の政治的中立性の確保の要請,②教育行政の継続性・安定性の確保の要請,③地方教育行政への住民意思の反映の要請という点にあり,これらの要請は,教育への不当な支配・介入を禁止し,自主性・自律性という教育の本質的要請に応え,ひいては子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等の基本的人権の十分な保障を確保しようとするものであった。

本改正法案のように,教育委員会制度が根本的に変更され,自治体の首長が教育行政の中身に直接関わるようになれば,教育は,国家から管理統制されたり,政治の介入により偏向することになりかねない。そうなれば,子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等が侵害されるおそれがあり,日本の教育の将来に大きな禍根を残すことが強く懸念される。

当会は,これまで,教育基本法の改正の際にも,一貫して,教育に対する国家の管理統制と政治の介入に反対してきたところである。

今また,当会は,子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等が侵害される危険性をはらむ,政治による教育への不当な支配・介入が行われるおそれの大きい本改正法案に強く反対する。

 

2014年(平成26年)6月12日

 

                        仙 台 弁 護 士 会

                          会長 齋 藤 拓 生

 

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