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平成11年7月21日会長声明

1999年07月21日

住民基本台帳法の一部改正法案に反対する声明

 さる6月15日、衆議院において、住民基本台帳法の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)が可決され、現在参議院において審議中である。

 この改正法案は、すべての国民に「住民票コード」と呼ぱれる10桁の個人番号を付し、氏名、住所、性別、生年月日の4つの情報を全国の自治体のコンピューターに登録し、指定情報処理機関が統一的に管理することをその内容とする。

 しかし、この改正法案にはプライバシー保護等の点から重大な問題がある。

 改正法案は、収集される情報を上記の4情報としているが、一方で行政機関による他の情報との結合を特に禁止しておらず、政府がすでに保有する税金、医療、教育、年金、福祉、家族、犯罪等の多くの個人情報と、将来結合される恐れがあり、住民基本台帳法の本来の目的を逸脱し、国民総背番号制への道を開くものとなりかねない危険性を孕んでいる。

 また、個人情報が他に漏洩する危険性も否定できない。

現行の個人情報保護法(行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律)は、民間情報を対象とせず、他方、行政機関の個人情報についての保護措置も不十分であり、個人情報の保護制度の整備がなされない現状のまま「住民票コード」が流出した場合、深刻な社会問題とならざるを得ない。

 改正法案が成立した場合、個人の知らないところでさまざまな個人情報が数多くの行政機関に保有され、かつ相互利用されることになりかねず、まさに国家による国民の集中管理という事態をまねきかねない。

このような状態は憲法13条の保障するプライバシー保護の観点から看過できない。

 よって、当会は改正法案の制定に強く反対する。

 

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