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平成21年12月16日会長声明

2009年12月22日

国選付添人対象事件の拡大を求める会長声明

 

 弁護士付添人は,少年審判において非行事実の認定や保護処分の必要性の判断が適正に行われるよう,少年の立場から手続に関与し,家庭や学校・職場等少年を取りまく環境の調整を行い,少年の立ち直りを支援する活動を行っている。
 かかる付添人活動の重要性にもかかわらず,2007年11月に導入された国選付添人制度は,対象事件を重大事件に限定し,かつ,家庭裁判所が必要と認めた場合に裁量で付添人を付すことができる制度に止まっている。2008年の統計によれば,少年審判に付された少年のうち,国選付添人が選任されたケースはわずか約0.9%に過ぎない。
 また,本年5月21日以降,被疑者国選弁護制度の対象事件がいわゆる必要的弁護事件にまで拡大されたことにより,被疑者段階の少年にも広く国選弁護人が選任されるようになったが,家裁送致後の少年の大多数は国選付添人による支援を受けられない。起訴された成人被告人については,被疑者国選弁護人がそのまま弁護活動を行えるため,被告人全体の約98%に弁護人が付されていることと比べると,少年に対する法的援助の不十分さは際立っている。
 こうした問題状況を受け,日本弁護士連合会は,国選付添人の対象事件が拡大するまでの対応策として,全ての弁護士会員が拠出する特別会費をもとに期間を限って設置した少年・刑事財政基金を財源として,弁護士費用を支払えない少年に私選付添人の費用を援助する少年保護事件付添援助制度を実施してきた。
 当会においても,国選付添人が選任されない大多数のケースについて,多くの会員がこの付添援助制度を利用して私選付添人に就任し,献身的に付添人活動を行っている。その結果,仙台少年鑑別所に収容された少年のほぼ全員に対して付添人が選任されるまでにこぎ着け,仙台家庭裁判所管内における弁護士付添人の選任率は全国でも1,2を争うほどの高率を維持している。当会としては,今後も高い選任率を維持して少年の権利保障に寄与したいと考えており,それだけに,仙台管内における付添人活動の実績が財源不足を理由に切り下げられるような事態は何としても避けねばならない。
 そもそも,弁護士の私財によって支えられている付添援助制度は,本来国の責務において拡充すべき国選付添人制度が全面的に実現するまでの臨時的・暫定的なものにすぎない。わが国が15年前に批准している子どもの権利条約第37条(d)は,「自由を奪われた全ての児童は,弁護人…と速やかに接触する権利を有」すると規定していることに照らせば,国による少年への法的援助の保障が成人に対する法的援助よりも不十分である現状は,一刻も早く改善されなければならない。とりわけ,少年鑑別所で身体を拘束された少年については,事件の軽重を問わず,その生育歴・家庭環境にも大きな問題を抱えたケースが多いこと,また,少年院送致などの重大な処分を受ける可能性が高いことから,国選付添人による法的援助を早急に整えなくてはならない。
 よって,当会は,国に対して,少なくとも少年鑑別所に収容され身体拘束を受けた少年の事件全件にまで国選付添人制度の対象事件を拡大する少年法改正を速やかに行うよう,強く求める。

 

2009(平成21)年12月16日

                                   仙台弁護士会   
会 長  我 妻   崇

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