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平成23年12月2日「生活保護における義援金等の収入認定に関する再度の申し入れ」

2011年12月09日

生活保護における義援金等の収入認定に関する再度の申し入れ

 

宮城県            御中
仙台市            御中
宮城県各福祉事務所      御中
宮城県各市福祉事務所     御中
仙台市各区保健福祉センター    御中
 
 当会は、平成23年9月7日付けで、宮城県及び仙台市並びに宮城県内の各福祉事務所、県内各市福祉事務所及び仙台市各区保健福祉センターに対して、平成23年5月2日付厚生労働省社会・援護局保護課長「東日本大震災による被災者の生活保護の取扱いについて(その3)」(以下「厚労省5月2日通知」という。)の趣旨を十分に尊重し、これに反する運用が認められる場合には迅速に是正すべきである旨の「生活保護における義援金等の収入認定に関する申し入れ」を行った。

 ところで、今般、日本弁護士連合会が平成23年8月19日付けで、東日本大震災の被災5県及び各県内に設置された全福祉事務所131カ所に対し、義援金、仮払補償金(以下「義援金等」という。)と生活保護制度の運用に関する照会を行った結果、96カ所から回答がなされ、義援金等の受領を理由として生活保護を停廃止された世帯が458世帯に及ぶことが明らかとなった。
 そのうち、宮城県では、県内27カ所の福祉事務所のうち19カ所から回答がなされ、回答した福祉事務所における停廃止世帯は80世帯に上る。その内訳は、多賀城市福祉事務所18件を筆頭に、岩沼市福祉事務所11件、仙台市宮城野福祉事務所10件、気仙沼保健福祉事務所9件、仙台市太白福祉事務所8件、仙台市若林福祉事務所8件、大崎市6件、東部保健福祉事務所5件、栗原市福祉事務所3件、仙台保健福祉事務所2件である。

 厚労省5月2日通知においては、震災後、緊急的に配分される義援金等について、収入認定除外を求めるための自立更生計画に包括的に一定額を計上して、その使途確認をしないという運用が認められているところ、照会の結果、県各福祉事務所、仙台市各区福祉事務所、大崎市、白石市、多賀城市、岩沼市、栗原市等、宮城県内の多くの福祉事務所において、そのような取り扱いを実施していないことが明らかになった。
 また、同通知では、将来の自立更生に充てられる生業費、教育費、介護費等、将来の自立に役立つ費用であれば、当座に費消するものではなくても自立更生計画へ計上することが認めてられているにもかかわらず、回答した福祉事務所において、これを説明していない例もみられるうえに、説明したと回答した福祉事務所のうち、実際にこれらの費目を計上しているのは一部の福祉事務所にとどまっており、その説明の実効性に疑問の余地なしとしない。

 そもそも、義援金等は、被災世帯の生活基盤回復の補助、あるいは被災したことに対する慰藉等を目的として支給されるものであるから、本来、収入認定にはなじまないものである。また、今般の震災に際して私財を寄付した市民・団体等としても、通常の生活費(最低生活費)とは区別された、被災者の生活基盤の回復等のために充てられることを願って寄付をしたと考えられるところ、義援金等により当面の最低生活費が充足されたとして生活保護が停廃止に至るとすれば、寄付の趣旨に沿わないおそれもある。
 したがって、本来は義援金等を一律に収入認定しないことが望ましいが、少なくとも、上記の義援金等支給の目的及び市民・団体等による寄付の趣旨に鑑みて、保護受給世帯において広く義援金等を生活基盤の回復等に充てられるよう、以下の運用を徹底することを求める。

①厚労省5月2日付通知が認めている、包括的に一定額を自立更生計画に計上してその使途確認をしないという運用及び将来の自立に向けた費用の自立更生計画への計上については、県下の全福祉事務所においてこれを認めること。
②特に、将来の自立に向けた費用については、保護受給世帯に対して実効性ある説明を行うことにより、自立更生計画に計上する機会を十分に保障するとともに、各世帯の状況に配慮して、広くかつ柔軟な範囲での計上を認めること。

                                                                    以 上

2011年(平成23年)12月2日

 
 

仙 台 弁 護 士 会        
会 長  森 山  博

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