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平成19年12月12日会長声明

2007年12月12日

新テロ特措法案の制定に反対する会長声明

 1 2007(平成19)年11月1日、「平成13年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」(以下、「旧テロ特措法」という)が失効し、同法に基づきインド洋で活動していた海上自衛隊は撤収した。

  しかし、政府は、10月17日、自衛隊によるインド洋での給油活動を継続するため、「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案」(以下、「新テロ特措法案」という)を国会に提出した。同法案は、11月13日に衆議院本会議で可決され、現在、参議院で審議中である。

2 新テロ特措法案は、旧法で認められていた武器弾薬の輸送を含む協力支援活動、戦闘参加者の捜索救助活動、野戦病院の設置警護等を活動内容から除外し、その目的を「テロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊等に対し補給支援活動を実施すること」(1条)に限定している。

  しかし、テロ対策海上阻止活動とは、テロリスト、武器・弾薬、資金源となる麻薬などのテロ関連物資の海上移動の阻止を目的として行われる洋上立入り検査や臨検のことである。そして現に補給支援活動として想定されているのは、米軍主導のアフガニスタンにおけるOEF(不朽の自由作戦)の一環として海上阻止活動を行っているOEF参加各国艦船や艦船に搭載する回転翼航空機への給油等の補給活動である。従って給油を受けた艦船や回転翼航空機が、海上阻止活動の過程で、武力の行使または武力による威嚇を行うことは当然に予想される。

  またOEFは海上阻止活動のみを目的とするものではないから、OEFに参加する各国艦船や回転翼航空機はアフガニスタンにおける戦闘活動や後方支援活動にも従事する。さらに米国の艦船や回転翼航空機はイラクにおける戦闘活動や後方支援活動にも従事する可能性がある。従って、自衛隊が補給した燃料等が、海上阻止活動以外のアフガニスタンやイラクにおける軍事活動に使用されない保証はどこにもない。

  このようなテロ対策海上阻止活動に対する自衛隊の補給支援活動は、「戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と定めた日本国憲法9条の精神に反するというべきである。

3 さらに、旧テロ特措法ですら事後的にではあるが国会の承認を要するとしていたのに対し、新テロ特措法案は、自衛隊の実施する活動に対する国会の承認は不要であり報告のみで足りるとしている。

  しかしこれでは政府による不当な補給支援活動の実施がなされた場合に、国会が直ちに是正する手段を持たないこととなり、濫用に対する歯止めとして不十分である。

4 このように、新テロ特措法案には重大な問題点があるので、当会は、その制定に反対である。よって参議院に対し本法案を可決しないよう求めると共に、衆議院に対しては仮に参議院が本法案を否決した場合には再議決を行わないよう求めるものである。

 

 

2007(平成19)年12月12日

 仙 台 弁 護 士 会    

 会 長  角  山   正

 

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