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平成19年4月27日会長声明

2007年04月27日

イラク特措法の2年間延長法案に反対し、自衛隊の即時撤退及びイラク特措法の廃止を求める会長声明

 政府は、2007(平成19)年3月30日、時限立法として制定され本年8月1日で失効する「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」(以下「イラク特措法」という。)を2年間延長する同法改正案を国会に上程した。

 当会は、自衛隊のイラク派遣に関して、これまで「イラク特別措置法案に対する会長声明」(2003年7月16日付け)、「自衛隊のイラク派遣に反対する会長声明」(同年12月18日付け)、「自衛隊のイラク即時撤退を求める会長声明」(2004年4月12日付け)、「自衛隊のイラク派遣延長反対・即時撤退並びにイラク特別措置法の廃止を求める会長声明」(2004年11月17日付け)及び「自衛隊のイラク派遣再延長に反対し、即時撤退及び『イラク特措法』の廃止を求める会長声明」(2005年11月17日付け)をそれぞれ発表し、自衛隊イラク派遣が自衛隊の武力行使を事実上容認し、また米英軍を中心とする占領軍及び主権移譲後の多国籍軍の武力行使と一体化するものであって、憲法前文及び9条に違反するおそれが極めて高いこと、自衛隊が駐留していたサマワも迫撃砲が撃ち込まれるなど「非戦闘地域」とは言えずイラク特措法にも違反していることを指摘してきた。

 そもそも、自衛隊のイラク派遣は米英によるイラク侵攻に端を発するものであるが、そのイラク侵攻は国連安保理決議もなく、自衛行為でもないので、国連憲章に違反していることは明らかである。しかもこの間、イラク侵攻の大義名分とされてきた大量破壊兵器の存在及び旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダとの結びつきまでもが、いずれも虚偽情報であったことが明らかとなった。

 このような状況の中、当初占領軍や多国籍軍に加わっていたスペイン、オランダ、及びイタリア等18カ国が既にイラクから撤退し、デンマークやリトアニアも撤退を表明し、さらにはイギリスも派兵規模を半減すると表明している。アメリカにおいても、イラク駐留米軍の撤退期限を上院では2008(平成20)年3月末まで、下院では同年8月末までとする法案を可決している。

しかるに、政府は、2006(平成18)年7月17日に陸上自衛隊をサマワから撤退させたものの、航空自衛隊及び海上自衛隊の派遣を継続し、航空自衛隊についてはその活動地域をバグダッド等に拡大させている。既にイラク全土が内戦状態にあると言われている中で、航空自衛隊機が離発着するバグダッド及びその近郊は、とりわけテロや戦闘が続く激戦地であり、「非戦闘地域」であるとはおよそ認められない。従って航空自衛隊の活動拡大は、イラク特措法違反と言わざるを得ない。

また、航空自衛隊の活動内容も、政府はその全容を明らかにしていないものの「武器を携行している米兵」(2004年4月8日津曲義満航空幕僚長記者会見)や「多国籍軍の軍人、兵士等」(2005年3月14日参議院予算委員会大野防衛庁長官答弁)を輸送しており、多国籍軍のための輸送支援であることは否定できない。これらの輸送支援は、「人道復興支援活動」ないし「安全確保支援活動」とは言えず多国籍軍の武力行使と一体化するものであって憲法前文及び9条に違反する疑いが極めて濃厚である。

 加えて、多国籍軍の中心をなす米軍は、これまで対テロ作戦と称してイラク各地で幾度となく掃討作戦を繰り返してきたが、その戦闘に巻き込まれて多くのイラク一般市民が死傷している。

 このような状況下で、イラク特措法を延長し、自衛隊のイラク派遣を継続することは、武力によらない平和を希求し、全世界の人々の平和的生存権を確認する日本国憲法の恒久平和主義に反するとともに、現地で活動する自衛隊員の安全を著しく脅かすものである。にもかかわらず、政府は国民に対して、イラクに派遣されている自衛隊の活動実態を十分説明することもないままに、時限立法たるイラク特措法の延長法案を成立させようとしている。

 よって、当会は、日本国憲法の恒久平和主義に背く政府の姿勢に対して抗議するとともに、イラク特措法の延長に反対し、自衛隊の即時撤退及びイラク特措法の廃止を強く求める。

 

 

2007年(平成19年)4月27日    

仙台弁護士会  会 長  角  山   正

 

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