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平成18年10月3日会長声明

2006年10月03日

 平成18年8月15日、山形県鶴岡市にある加藤紘一衆議院議員の実家と地元事務所が放火されるという事件が発生し、9月19日、右翼団体の構成員であったとされるこの事件の被疑者が現住建造物放火罪と住居侵入罪で山形地方裁判所に起訴された。報道によれば、被告人は、加藤紘一議員が小泉前総理大臣の靖国神社参拝への積極的な姿勢について批判する意見を表明していたことについて強い不満を抱き、放火に及んだとのことである。

靖国神社への首相参拝を巡っては、これまでも昨年1月、参拝に反対する発言をした財界関係者の自宅に火炎瓶が置かれ、実弾が郵送されるという事件が発生し、また、本年7月にも昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀に不快感を示す発言をしていたとされるメモをスク−プした新聞社に対して火炎瓶が投げられるなどの事件が発生しており、今般の放火事件も、これらの事件と同様、自己と政治的意見が異なる者への言論封殺のための暴力行為であることは明らかである。

 いうまでもなく民主主義は、広く国民に多様な価値観、意見の違いがあることを前提に、自由な言論を通じて民意を形成していく過程にその本質があり、その意味で言論の自由の保障はまさに民主主義の根幹をなすものである。

異なる政治的意見を持つ者に対して、放火という生命、身体、財産に対するいわば極限的な侵害行為をなすことによりその言論を封殺しようとすることは、ひとり当該政治家の言論の自由の侵害にとどまるものではなく、これにより他の政治家や他団体、更には国民一般の言論の自由に対する著しい萎縮的効果を与えるものであり、まさに民主主義社会を根底から否定しようとする蛮行と言わざるを得ない。

 当会は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする法律家の団体として、言論の自由が保障され、いかなる意見や価値観も自由に表明しうる民主主義社会の重要性を改めて広く市民に訴えるとともに、自由な言論を萎縮させるあらゆる暴力行為を許さない社会を創るため全力を尽くす決意であることをここに表明するものである。

 

                    

平成18年(2006年)10月3日    

仙台弁護士会 会長 氏 家 和 男

 

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