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平成17年2月26日決議

2005年02月26日

青葉通のケヤキ伐採・移植の再考を求める決議

 仙台市は、地下鉄東西線東一番町駅、同西公園駅を建設するにあたり、いわゆる開削工法で地下駅を作る計画を立てた結果、青葉通のケヤキ233本中、西公園付近のケヤキ39本と一番町付近の38本のケヤキ、合計77本のケヤキが伐採又は移植を余儀なくされている。

 しかし、青葉通のケヤキ並木は、戦災で焼失した杜の都を再興したいとする市民の期待を背景に、当時の岡崎栄松市長以下、市役所職員の熱意と志によって植栽が計画され、仙台市議会議員が献木するなどして、昭和25年4月3日に植栽され昭和48年には「杜の都の環境をつくる条例」に基づく「保存樹林」第1号に指定されるなどして、今や、杜の都の歴史と伝統を体現した歴史的・文化的存在として仙台市民の大切な宝になっているだけでなく、その景観美は日本全国に知れ渡る存在として仙台市の観光産業や地元経済の発展に大きく寄与する全国ブランドになっている。

 平成16年12月17日、景観法が施行されたが、その基本理念は「良好な景観は現在及び将来における国民共通の資産」であり、「景観形成には観光や地域活性化への配慮が必要」とされている(同法2条)。全国的知名度を持ち、仙台市のシンボル的存在である青葉通のケヤキ並木の景観は、まさに景観法の趣旨からして仙台市自ら、「景観重要樹木」(同法28条)に指定し、ケヤキ並木の景観が損なわれないように適切に管理すべきであり(同33条)、伐採や移植は制限され(同31条)、原状回復義務が課せられる(同32条)べき樹木である。このような景観法が志向する重要な樹木景観の保全という理念からして、仙台市による上記ケヤキの伐採又は移植の計画は極めて慎重であらねばならず、地下鉄東西線建設の費用便益効果とケヤキ伐採・移植に伴う歴史的、文化的、経済的損失等をきめこまかに分析・検討して、青葉通のケヤキの伐採・移植と並木の景観破壊が不可避の状況にあるかについて市民の納得を取り付ける努力が必要になる。

 とりわけ、仙台市は、青葉通のケヤキ伐採・移植を極力回避するために、例えば、地下鉄駅の建設にあたり開削工法ではなく非開削の工法を採用することはできないのか、東西線の路線コースを青葉通から南町通に変更することはできないのか、更には、青葉通のケヤキの伐採・移植の問題を生じない他の路線コースを選定することはできないのかなど、その工法や路線の選択を慎重に模索・検討して、その検討結果を市民に丁寧に説明する責務があるところ、仙台市は、合理的検討や説得力ある説明を十分にしていない。景観法は良好な景観の形成を支える主体として住民やNPO法人などを参加させる住民参加の方策(同11〜14条)を選択している。仙台市は景観法上の景観行政団体として、景観法に基づく施策を実施する主体となり、地域における良好な景観の保護のために市民に十分な情報公開と説明を尽くして協力共同の姿勢を保持すべき責任がある。

 地下鉄東西線建設については、様々な議論があるが、当会としては、仙台市に対し、歴史的、文化的、経済的価値を有する青葉通のケヤキとその並木の景観を守ために、地下鉄建設の工法や路線コースの変更を含め、青葉通のケヤキ伐採・移植を極力回避するための方策を再検討されるよう強く求めるものである。以上、決議する。

2005年(平成17年)2月26日

仙 台 弁 護 士 会

会 長  鹿  野   哲  義

 

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