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平成15年7月3日会長声明

2003年07月03日

「ヤミ金融対策法」制定に関する声明

現在、ヤミ金融対策のための貸金業規制法等の改正案が国会に提出されようとしており、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下、「出資法」という)第5条(高金利の処罰)に該当する貸付契約は無効であり、元本の返済は不要である」ことを法律上明記するかどうかが、最大の争点となっている。7月1日の与野党協議により、「契約の無効」は盛り込まれたものの、「元本の返済は不要」との規定は盛り込まれない形で合意がなされ、議員立法として近日中に国会に提出される状況となった。

 当会は、本年2月22日の定期総会で、「ヤミ金融業者の取締り強化等及び『ヤミ金融対策法』の制定を求める決議」を採択し、「出資法第5条(高金利の処罰)に該当する違法貸付の民事無効、違法な金利での貸付・取立てへの刑事罰の強化・貸金業の登録に当たって営業保証金を徴求する制度の導入等を内容とする『ヤミ金融対策法』の制定を行うこと」等を求め、かつ、当会自身もクレサラ特別相談体制等で日常的にヤミ金融被害の救済活動を行なってきた。

ヤミ金融の蔓延に終止符を打つためには、国が、ヤミ金融による支払請求には一切助力しないことを明確に宣言して、ヤミ金融を経済的に立ち枯れさせることが必要であり、そのためには、改正法に契約無効だけでなく、「元本返済不要」とする規定をもうけることが必要である。

 このような中で、本年6月14日、大阪府八尾市で、ヤミ金融に対する借金返済を苦にした60代の夫婦が81歳の兄とともに鉄道自殺をするという痛ましい事件が発生した。報道によると、被害者は5月12日に八尾警察署を訪れて「1万5000円を借り、既に利息10万円を支払っている」と相談していたという。警察がヤミ金融業者を検挙するよりも前に、わずか1万5000円のために、3人もの尊い生命が失われてしまったのである。宮城県内においても、ヤミ金融からの取立てを苦に自殺したと思われる事案が発生するなど、深刻な事態に至っている。

 これ以上、犠牲を出さないためには、実効性のある総合的なヤミ金融対策を打ち立てる必要がある。行為規則の強化や罰則の強化、開業規制の強化などは、警察や行政当局にヤミ金融を取り締まるための大きな武器を与えるものである。しかし今や、警察や行政当局だけにヤミ金融問題の解決を委ねれば足りるような事態ではない。民事法規という、弁護士あるいは被害者自身がヤミ金融と闘うための武器を与え、社会全体の力をもってヤミ金融の根絶に向けた取り組みが出来るようにすべきである。

 そこで当会は、今国会で制定されようとしている「ヤミ金融対策法」に出資法の金利規制に違反する貸付契約は無効であるとするだけでなく、「元本の返済自体も不要である」ことを明記するよう、強く要請するものである。

 

 

 2003年(平成15年)7月3日

    仙 台 弁 護 士 会

    会 長  松  尾  良  風

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