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物価上昇に対応した最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

2023年04月27日

物価上昇に対応した最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

 最低賃金法は、低廉な賃金で働く労働者について、賃金の最低額を保障することにより、「労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与すること」(1条)を目的としている。2020年のデータに基づく試算によると、最低賃金の全国平均の1.1倍以下の賃金で働く労働者の割合は14.2%を占め、1.3倍以下の賃金で働く労働者まで範囲を広げるとその割合は31.6%を占めるため、最低賃金額の引上げは間接的にこれらの労働者の賃金引上げにも波及しうる。

現在、世界的な資源価格の高騰などの影響から、特異な物価の上昇が続いている。その影響で、労働者が受け取った賃金で購入できる物品やサービスの量を表す実質賃金は、今年1月に前年同月比で4.1%の減少となった。これは消費税の引上げで実質賃金が落ち込んだ2014年5月以来の大きな下げ幅であり、家計に対して大きな影響を与えている。
 このような状況の中で労働者の生活を維持するためには、賃金の上昇が不可欠である。とりわけ、もともと賃金が低廉で貯蓄をすることが困難であった非正規労働者ほど、現在の物価上昇の影響を受けており、賃金の引上げが強く求められるところ、上述したように、最低賃金額を引き上げることによってこれらの労働者の賃金引上げに波及させることが期待できる。
 
宮城県に目を向けると、現在の宮城県の最低賃金額は883円であり、近年引上げが続いているとはいえ、それでも上記の物価上昇の影響により労働者が生活を維持していくためには十分とは言い難い水準であって「労働者の生活の安定」が確保されているとはいえない。したがって、「労働者の生活の安定」という最低賃金法の目的に沿った最低賃金額とするためには物価上昇を踏まえてその額を大幅に引き上げる必要がある。

他方で、最低賃金額の引上げは使用者にとって負担増をもたらすところ、物価高騰などによる影響を強く受けている中小零細企業に対する支援策も喫緊の課題として重要である。
 以上のことから、当会は、中央最低賃金審議会及び宮城県地方最低賃金審議会に対して、現在の特異な物価上昇を踏まえた最低賃金額の大幅な引上げを行うよう求めるとともに、政府に対して最低賃金の引き上げを可能とするような中小零細企業支援策の拡充も求めるものである。

2023年(令和5年)4月27日

仙 台 弁 護 士 会

会 長  野 呂   圭

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