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平成15年2月22日総会決議

2003年02月22日

ヤミ金融業者の取締り強化等及び「ヤミ金融対策法」の制定を求める決議

 長引く不況下、多重債務者は増加の一途を辿っている中、近年、これら多重債務者を狙い、出資の受け入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下「出資法」という)第5条に違反した超高金利で貸付を行う、いわゆるヤミ金融による被害が急増している。

 ヤミ金融は、多重債務者をターゲットとして、ダイレクトメールや新聞、雑誌広告で「多重債務者でもOK、低利一本化」等と言葉巧みに勧誘し、実際には10日で5割(トゴ)、10日で6割(トロク)などの超高金利で貸し付けを行う。そして、債務者が支払いに窮するや、電話、電報などによる苛烈、過酷で強迫的な取立を行い、債務者のみならず、その家族、親族、職場等債務者の周辺の者までをも精神的に追いつめ、債務者の生活全体を破壊するという深刻な被害を発生させている。多重債務者及びその周辺の者の生命安全に対してもたらされる切迫した危険は、もはや法治国家として容認できない程度に至っている。

 このようにヤミ金融が跋扈するのは、被害防止や救済手段が民事・刑事両面で不十分なため、ヤミ金融業者が摘発を恐れることなく短期間に容易に暴利を得られる実情にあることが最大の原因である。現に、暴力団がこの分野に多数進出し、暴力団の新たな資金源となっていることが指摘されている。

 以上のような現状に鑑み、当会は、ヤミ金融被害の根絶のための諸活動を行うことを宣言するとともに、

 

1 捜査当局に対し、出資法第5条(高金利の処罰)により刑事罰の対象となる、ヤミ金融業者による被害に関する相談体制・捜査体制を強化し、ヤミ金融業者に対する徹底的な取締りを行うこと

 

2 貸金業の監督官庁(財務局、都道府県)に対し、貸金業の登録を受けながら、出資法第5条に違反する高金利で貸付をする貸金業者の排除に集中的に取り組むこと

 

3 宮城県知事に対し、ヤミ金融業者による被害の相談体制の強化・県警との連携等、早急かつ有効なヤミ金融対策をとること

 

4 国会に対し、出資法第5条に該当する違法貸付の民事無効、違法な金利での貸付・取立てへの刑事罰の強化・貸金業の登録に当たって営業保証金を徴求する制度の導入等を内容とする「ヤミ金融対策法」の制定を行うこと

 

を求める。

 以上のとおり決議する。

 

 

   2003年(平成15年)2月22日

仙台弁護士会

会長 犬飼健郎

 

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