弁護士に相談する

【多重債務相談】

弁護士に相談する前に

 弁護士に依頼して,あなたの借金を整理する方法には,1任意整理,2民事調停,3個人再生,4破産といった方法があります。どれにするかは,借金の額,あなたの収入・財産(家や車があるか),債権者(お金を貸した人)の性質(銀行か,サラ金か,ヤミ金かなど)によって決まります。

 まず,収入から生活費を除いて現実に支払に充てることが出来る金額(可処分所得)と毎月の借金の支払の合計額を比較してみて,とても支払が出来ないような場合は,破産するしかないことが多いでしょう。しかし,取引が長く,利息制限法を超える金利を支払い続けているのであれば,破産をしないで済むこともあります。
 もっとも,毎月の支払の合計額を可処分所得の範囲内に限り,それを超える分の借金は,原則として(例外があります たとえば抵当権がついている場合)帳消しにしてもらうことができます。これが民事再生法の個人再生手続です。個人再生は,借金の額が5000万円以下の場合に使えます。

 個人再生は,給与所得者の場合と個人事業者の場合で手続が異なります。

 民事調停は,簡易裁判所の調停委員会で,債権者と話し合い,利息制限法に引き直した上での残元金の確定をした上で,毎月の支払額を下げてもらったりする制度です。裁判所を使う制度としては一番費用が安く済みますし,弁護士を頼まないで自分でする人も少なくありません。

 任意整理は,裁判所を使わずに,弁護士が債権者と話し合って,借金を整理する方法です。ここでも利息制限法を使って残元金を確定します。

 ところで,借金は,通常,自分が借りたお金ですが,自分が借りなくても請求される場合もあります。たとえば,保証人です。あなたが,これから説明する方法を使って借金を整理する場合,自分の保証人に請求がいくことを忘れてはいけません。もし,誰かに保証人になってもらっているなら,その保証人と一緒に相談を受けた方がいいでしょう。
 これから,各方法を具体的に説明しますが,その前に,仙台弁護士会で法律相談を受けることを前提として,相談に来る際に事前に準備してもらうことについて説明します。これらの準備をして来てもらわないと,2度も3度も相談に来てもらうことになりかねませんので,必ず用意してきて下さい。

次の事項を一覧表にまとめて来て下さい。

ア 債権者の住所・電話番号・FAX番号

 ここでいう債権者の連絡先は,東京の本社の住所ではなく,借入をした支店の連絡先です。東京の本社に問い合わせをしても分からないことが多いのです。
また,ヤミ金(たとえば,5000円を借りただけなのに,数日後に1万円を請求するような業者 完全に違法な業者です)の場合,電話番号しかわからないこともありますが,少なくともFAX番号がわかれば対応できますので,必ず調べて下さい。

イ 債権額(借金の残高)のその合計額

 これは,あなたが債権者から主張されている額で結構です。

ウ 最初の借入時期(何年何月か)

 この時期が古ければ古いほど,あなたの借金は減る可能性が大きくなります。また,これを裏付ける契約書・振込控えなどの書類がある場合,必ず持参して下さい。これらの証拠が揃っていればいるほど,借金は減る可能性が高くなります。

エ 毎月の支払額

 現実に支払っている額と本来支払わなければならない額を区別して下さい。

オ 毎月の月収とそれを裏付ける給与明細等の書類

 収入がなければ,借金の整理は出来ませんし,弁護士の費用も支払うことが出来ません。しかも,継続的に安定した収入が得られることが必要です。失業中や専業主婦の場合,親族の方の支援がなければ破産以外に方法はありません。

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